賽の河原

賽の河原に石がまた一つ

ミラーレス一眼を新調した話

2年前にカメラを持つようになってから、いつも何気なく通り過ぎていた景色に目を向けるようになった。

道路傍に咲く名前も知らない花と、そこで羽を休める色鮮やかな蝶。

絵の具をいっぱいに広げたような空と、それを横切る幾重もの電線。

世界には、自分達が気付かないだけで、無数の情景が広がっている。

────写真のような言葉を、言葉のような写真を撮れないだろうか。その言葉で、目に見えない巨大なものを表現したい。

いつしかそんなことを考えるようになっていた。

本当は考えていなかった。

 

ともあれ、今回購入した機材は下記の通りである。

①OM SYSTEM OM-1……カメラボディ

②M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO……普段使い用レンズ

③M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO……野鳥撮影用レンズ

④M.ZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter MC-14……望遠用テレコンバーター

⑤M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO……星空撮影用レンズ

 

OM-1OLYMPUS/OMDS製マイクロフォーサーズ機のハイエンドモデルである。

購入の決め手になったのはプリ連写機能。

簡単に言うと、シャッターを押した瞬間から0.5秒程度遡ったタイミングから連写ができる機能である。

意外と実装されている機器は少なく、フルサイズ機では現在NikonのZ9のみ。

野鳥の飛び立つ瞬間など、動きの読めない被写体を収めるのに大変重宝する。

 

②は巷で「悪魔のレンズ」と言われているTHE・汎用性の塊。

F値自体は暗めであるものの、35mm換算で24-200mmの画角をカバーできる上に、接写もある程度こなせる優れモノ。

M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO 撮影サンプル

マクロレンズのレベルまで寄りたい場面自体かなり限られるので、換装の手間が省けるのは大きい。

これだけのスペックでありながら重さも抑えられており、普段使いには最適のレンズとも言える。

 

③は35mm換算で600mm、④の1.4×テレコンバーター装着によって840mm相当の画角になる。

ボディと合わせての手ブレ補正も強力で、超望遠の焦点距離が手持ちで撮れてしまう夢のレンズである。

今まで超望遠レンズを持っていなかったせいもあるが、これは本当に世界が変わった。

ジャガイモしかない村にメロンがやってきたような感覚。

M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO & 1.4× Teleconverter 撮影サンプル

野鳥にもしっかり寄れる上に、手持ち撮影でこの解像度を誇る。感動の一言。

但し慣れていない人にはガチで重い。レンズと比較してボディが軽すぎるのもあるが、レンズもげるんじゃないかと思うくらい。

これでも一般的なフルサイズ用超望遠レンズの半分程度の大きさしかないのだが…。

撮影中は手ブレに細心の注意を払いながら約1500gのレンズを左腕で支えることになる。こんなんもう30万円のメロンじゃん…。

長時間野鳥を追いかけながらの撮影は肘や手首を痛めるので注意。

 

⑤はF値1.8という破格の明るさをもつ魚眼レンズ。

F値が暗くても星の光跡撮影のように長時間露光を行う場合は多少誤魔化しがきくのだが、1枚撮りの場合はシャッタースピードをある程度速くしないと、写真を拡大したときに星が点ではなく線になってしまう。

そんなマイクロフォーサーズ機の苦手分野である「暗所での撮影」難易度をぐっと下げてくれる。

加えてOM-1には「星空AF」という星空にフォーカスを自動で合わせてくれる便利な機能までついている。これは撮るしかない。

M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO 撮影サンプル(8mm, F1.8, 30s, ISO320)

正直あまり上手く撮れていないが、拡大すると結構な数の星が映っている。

条件さえ揃えば天の川も綺麗に撮れそうといった印象。

 

どれも安くない買い物だったのでとことん使い倒す予定。

現場からは以上です。